ただ見上げるより この手を伸ばしてみたくなるだけ (ポコアポコ/カヒーナムジカ)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 私が主催しているサークル「POLAR BLUE」は、新しくTRPGのGMに挑戦する方に、ペアGMという選択肢を提案しています。
 初心者GMが一人でGMに挑戦するのではなく、GM経験者がサブマスターとしてサポートに入るやり方です。
 ペアGMの詳しい様子については、「今宵あなたとシナリオメイク」と言う動画リプレイで描いています。
 「サブマスターって何やるの?」とか「どんな風に進めて行くの?」とか、色々と疑問点がある方は、そちらをご覧下さると助かります。
 「ふたりGMの進め方」というページもありますので、そちらも参考にして下さい。


 ですが、このペアGMについて、主にGM経験者の方から、懐疑的なご意見を頂く事があります。
 例えば、GMの始め方は「良いプレイヤーは支援してくれれば、それで十分」とか、「シナリオ集があればGMできる。ペアGMは不要」といったご意見です。
 ただ、考えてみて欲しいのですが、例えばシナリオ集があればそれで全員GMできるなら、世の中の大半のテーブルトーカーがGMやっていて不思議じゃない訳です。
 でも現実には、GMやらない人の方が多いのですよね。
 「GMが大変だから」という理由を挙げる方もいますけれども、シナリオ集を使ったGMが、そんなに大変ですかね?
 本当は、何か違う理由が(も)あるのではないですかね?
 
 
 私が初めてTRPGをやったサークル、もう20年近く続いているサークルですが、そこでは全員GMができるんです。
 前身が同人小説を作るサークルだったせいもあるのですが、とにかく私は、テーブルトーカー全員がGMできるものだと、ずっと思ってました(笑)。
 ところが、進学などで外のサークルに参加してみると、全然そんなことない。GMが二人いれば御の字で、下手したら私しかGMしなかったりすることさえあったんですね。
 私はシナリオ作るのが好きですし、自力でGMできたタイプの人なので、まあ普段は一人でGMしていても構わないのですが、情熱にはやっぱり波があります。
 自分がGMやるのが辛いな、って思った時に、一時的にでも他の人が繋いでくれるとありがたい訳です。
 そこで他の人にGMやってもらうとお願いし始めて、初めて気がつくんですよ。
 「自分がGMできた方法で、他の人がGM始められるとは限らない」

 この単純な事実が、なかなか受け入れることができないものです。
 ちなみに私が最初にGMやった時は、オリジナルワールドを作り、システムは既存システムをカスタマイズしたものでした。
 昔は当然のように、みんなそのぐらいの事はできるものだと思っていた訳です。

 流石にしばらくすると、「どうやらおかしいのは自分の方みたいだ」と気がつきました。
 そこで、ハードルを下げることにした訳です。
 システムも世界も既存のもので良いですよ。
 シナリオだってシナリオ集だっていいですよ。
 その条件ならGMできるでしょ? オリジナルワールド作った私からしたら、物凄いハードル低いですよ。

 …ですが、GMしてもえらなかったのです。
 もちろん、GMに興味がない人もいます。結構います。
 でも、「GMやれるならやってみたい」という憧れを持っている人はいるのです。
 そういう人でも、GMしてくれない。
 こんなにハードル低いのに、なんでGMできないの?
 全く意味が分かりません。



 その答えが分かるまでには、5年ぐらい時間がかかりました。
 分かってみたら、凄く簡単なことでした。
 人によって、GMを始めるために適している方法論が違うんです。

 シナリオ集があればGMできるのか? 違うんです。
 確かにシナリオ集でGMデビューできる人はいます。
 いますけど、全員じゃない。

 例えば実際にこんな人がいました。「シナリオ集は読んだけど、それでセッションが盛り上がるという確信が持てない」
 確信。
 「セッションが盛り上がらなかったらどうしよう」
 怖いんですよ。不安なんですよ。自信なんか持てない人がいるんですよ。
 こういう人たちは、良心的なプレイヤーの支援があったとしても、そもそも卓につくことができない。
 卓につく、その前の時点で、つまづいてしまうからです。

 「習うより慣れろ、失敗しても良いからとにかくやれ」って言う人も多くいます。
 全くその通りだと思うのですが、はいそうですか、と始められる人ばっかりじゃない。失敗が怖くない人なんてむしろ少ない。

 だから、セッションが始まる以前に、
 「このシナリオで、セッションはこういう風に盛り上がるから、大丈夫だよ」と言ってくれる人だったり。
 シナリオ集に足りない部分があったら、そこをフォローしてくれたり。
 セッション中に予想外の展開になった時に助言をしてくれたり。
 そういう存在がいると、大きく違うのです。

 それは、たまたま読んだシナリオ集が良くなかったのかも知れません。
 でもね、シナリオ集の良し悪しに話を矮小化するのは止めましょうよ。
 別に良いじゃないですか。
 誰か他の人が相談にのって、手伝ってあげることで、その不安を取り除いてあげても。
 今までとはちょっと違った始め方があったって、いいじゃないですか。

 そしてGMを始めることについて、世の中に存在する手法が、実はそんなに多くない。
 だから、方法論が合わない人がいっぱいいて、GM始められない人が多いんだと思うんです。
 ペアGMは、従来の手法がいまひとつしっくり行っていなかった人たちに向けた、一つの選択肢なんです。


 とは言うものの、私はこの方法が全テーブルトーカーに合っているなどとは全く思ってなくて、せいぜい1割、多くても2割程度だと思っています。
 でも、現在のアクティブGM率が、20%ぐらいかなと推測しているので。もしテーブルトーカーのうち20%が新たにGMできるようになったら、GM人口2倍ですよ?
 ね?


 逆に、自力でGMできる人にとって、ペアGMってうざいだけでメリットが感じられない場合も多いんです。
 自分がそうだったから良く分かります。
 そりゃそうですよ。自分一人の力でGMできるんですから。なんで今更人の助けなど欲しいと思うでしょうか。自分の思い通りにシナリオが作れないのなんて、まどろこしくってしょうがない。
 自力でGMできる人にとって、そう感じるのは無理のないものです。
 そういう人にとっては、ペアGMの方が「方法論が合っていない」のです。

 別にいいんです。方法論が合わない事を無理してやる必要はありません。
 ただ、あなたがペアGMと合わないのなら、同じようにあなたが合う方法と、合わない人もいる。
 そのことだけご理解頂けると嬉しいですね。



 TRPGって、セッション中はみんなでわいわい騒ぎながら盛り上がるゲームじゃないですか。
 でもその楽しさって、一人でGMの準備をしている時にはない訳です。
 そういう楽しみ方が、セッションの準備の時からできたって良いと思うんですよね。
 特に女性に多い印象がありますが、一人で何かするよりも、複数人でやる方が好きって人もいる訳で。
 そういう人にとって、ペアGMという選択肢が取れるようになることで、今までGMできなった人でもGMできるようになるんじゃないのかな、と思っているんです。



 ところで、「今宵あなたと」ではペアシナリオメイクしましたけれども、本当はシナリオを作らなくても構わないんですよね。
 ペアGMでシナリオ集を使ってもいいんです。
 「今宵あなたと」でシナリオを作ったのは、スイレンさん自身がシナリオを作ってみたかった、と言うのが大きいですね。
 作りたいなら作れば良いと思いますが、そんなにシナリオを作りたい訳でなければ、シナリオ集を使った方がよりGMデビューしやすくして良いでしょうね。
 この場合、経験者GMの役割は、(前述した通り)初心者GMの感じている不安や自信のない部分をサポートしたり、サークルや卓とシナリオが合わない部分を修正する方法を提案したり、という事になるでしょう。


 ペアGMでリードする経験者は、実はそんなに大層なことをしなくていいんです。
 相手の話をちゃんと聞いてあげて、あとはそこにいれば最低限大丈夫なんです。
 もちろんできるなら、相手の良いところを発見して、褒めて自信を持たせてあげられれば、言うことないですけどね。
 でも、それが絶対必須の条件って訳じゃないんです。
 相手を否定しないことだけ気をつけて頂ければ、それだけで役割を果たせたりするもんなんです。


 ペアGMで、今までGMデビューできなかった人でも、「楽しく」GMに挑戦できるようなったら、嬉しいですね!


追記を閉じる▲
スポンサーサイト

【2013/09/08 12:17】 | トークRPG実験箱
トラックバック(1) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。