ただ見上げるより この手を伸ばしてみたくなるだけ (ポコアポコ/カヒーナムジカ)
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 アルディオン大陸ガイドを読んでいます。
 今更。
 発売一週間後に買ったんじゃなかったっけ?
 なのに今更。

 …ごめんなさい、ちゃんと中身を読もうとして、何度か読むのを挫折しています。
 今後アリアンロッドのGMを続けて行く上で必要だと思うから、頑張って読んでいます。
 でも、ちょっとキツイです。あまり面白く感じません。すぐに飽きて、連続して長く読み続けることができません。
 どうして?

 最初はただの趣味・趣向の問題かと思っていたのですが、最近、どうも構造的な問題が潜んでいるのではないかと疑い始めました。
 はてさて、私の観方は正しいのか否か?
 
 アルディオン大陸ガイド、シナリオは面白かったです。
 詳しくは以前書いたものを読んで欲しいのですが、あのシナリオはテーマ、展開共になかなか優れた内容です。

 でもワールドガイド部分は微妙です。
 端的に言って、トラブルが足りない。そして深さが足りない。
 例えば、グラスウェルズ王国。

 事実上貴族会議はレアノールの言いなりという状態である。これを危惧している貴族もいないことはないが、(中略)彼らが表立って行動することもない。


 この一文、とってもつまらないのです。そこに物語の予感が乏しい。
 だって、表立って行動することがないんですよ、不平派が。
 しかも貴族たちが、不満を抱いてマグマがぐつぐつと沸騰している訳でもない。なんか一歩ぐらい引いて、冷静に未来の論理的な不安定要素の可能性を見出している感じ。
 感情が薄いんですよ。
 劇的なドラマが展開する要素が少ない気がしませんか?

 感じ方の問題とか言われそうなんで、対案を示してみましょう。

 「事実上貴族会議はレアノールに牛耳られている。このことに不満を持つ貴族も少なくない。彼らは表立ってレアノールに反抗を示せる力はないが、逆に腸は煮えくり返っている。レアノール政権の転覆を狙い、密かに謀議を重ねているのだ」

 …いかがでしょうか?
 こちらの方が、事件が発生しそうな雰囲気がありませんか?
 物語が動き出しそうな気がしませんか?
 内乱? クーデター?
 物騒ですが、物騒さこそシナリオの種ではありませんか?
 そこに国母の権威を笠に着る外戚とか、腐敗政治とか、幼い王子を頑張って堕落させようと企む奸臣とか出てくれば完璧ですね。

 ――貴族であるPCに、人目を憚りながら声をかけてくる伯爵。低い声で彼は君に耳打ちします。「君は我が国の現状をどう思う?」
 そんな二人の様子を、少し離れてじっと見ている影があり…
 「忠義の士である君からは、良い返事を聞かせてもらえると信じているよ」
 拒否すればレアノール派と見なされてしまうのか? 頷いても密談はばれている? 中立を気取ると言うことは、どちらからも敵と見なされるという事かもよ!?

 もちろん、大陸ガイドに記載されている文章から、こういうシナリオを考えることは不可能ではありません。
 ありませんが、脳への刺激の度合いは如何ですか?
 読んでいてシナリオが、物語が広がっていく。そういうワールドガイドは、読んでいて病みつきになります。
 そういう「病みつきにさせる」部分が弱くはありませんか?


 密使ノーデンスについてもそう。
 密使ノーデンス自体はシナリオの種として使えるのだけれども、ノーデンスの呪いを恐れて他の国が統一帝の選定に文句を言わないとか、有り得ません。
 「太閤殿下無き今、徳川殿こそが事実上の天下人よ」「オレはそんなこと認めん!」で関ヶ原決戦。
 それが大河ドラマじゃないんですか?
 あまりに制度を完璧なものにしようとしすぎではないですか?
 もっと綻びの種が埋まっているようなものの方が、シナリオは作りやすいと思いますよ。


 他にも、「各国から恐れられている」とか「最強」とか簡単に使い過ぎる気がします。ある集団・人が強いことを証明するために、他の凄い人たちを作り上げ、それを上回る…という手法を多用しすぎだと思います。
 具体的なエピソードの裏づけがあればまだ違うのですが、「強兵と言われている○○も××には敵わなかった」程の具体性に乏しい文章が何度も繰り返されるのは、ちょっとうんざりしてきます。
 (これ他のFEARのルールブックでも見かける気がします)

 国別の事件と伝承に、戦記や国家的な出来事と全く関係ないイベントが多い点に関しては、文句はありますけれども譲りましょう。そういうネタがないと、シナリオを作れない人が沢山いるとは思いますから。黄昏の峰へって奴です。(この例え分からない人が多いかも…)
 でもそうであるからこそ、少ない戦記ネタはもっともっと盛り上げて欲しかったです。
 ブレカナのデッドコピーが作りたかった訳ではないのでしょう?


 書き方の問題とか言わないで。
 文字書きですよね、先生方? 少なくとも志している/いたんですよね?


 昔は良かった的な議論をしたくないのですが、こう言った「物語の予感」では、友野詳や北沢慶は上手かったと思います。
 彼らのワールドガイドは、敵と陰謀に満ちています。
 例えばHTTのドラゴン大陸。ローンカイラスは奴隷制の国って時点でヒール感満載。しかも表向きは無いことになっているけれども、外国人を攫って奴隷にしている説も否定はされず。
 ポストラキュームはティプトラ侵攻を目指して空中要塞を発掘。怪しげな軍師が暗躍。そして正義の(多分)ガルバリウス卿は左遷されて干されている…
 実際に住むなら遥かに困難であることは間違いないですが、ドラゴン大陸の方が血の滾るシナリオをやりやすい気がしませんか?


 …そう思わないのならば、残念な限りです。
 まあ、大河ドラマ的な物語はTRPGでは流行らないというのが通説ではありますが。
 でもそれを言い出したら、そもそも戦記ものがナンセンスでしょう。
 戦記ものって旗を掲げたのならば。
 もうちょっと頑張って頂きたいのです。
 何やらワールドガイドの続きも出たらしいですし。

 もっと、血潮が沸騰するワールドガイドを!


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 アルディオン大陸ガイド、シナリオは面白かったです。
 詳しくは以前書いたものを読んで欲しいのですが、あのシナリオはテーマ、展開共になかなか優れた内容です。

 でもワールドガイド部分は微妙です。
 端的に言って、トラブルが足りない。そして深さが足りない。
 例えば、グラスウェルズ王国。

 事実上貴族会議はレアノールの言いなりという状態である。これを危惧している貴族もいないことはないが、(中略)彼らが表立って行動することもない。


 この一文、とってもつまらないのです。そこに物語の予感が乏しい。
 だって、表立って行動することがないんですよ、不平派が。
 しかも貴族たちが、不満を抱いてマグマがぐつぐつと沸騰している訳でもない。なんか一歩ぐらい引いて、冷静に未来の論理的な不安定要素の可能性を見出している感じ。
 感情が薄いんですよ。
 劇的なドラマが展開する要素が少ない気がしませんか?

 感じ方の問題とか言われそうなんで、対案を示してみましょう。

 「事実上貴族会議はレアノールに牛耳られている。このことに不満を持つ貴族も少なくない。彼らは表立ってレアノールに反抗を示せる力はないが、逆に腸は煮えくり返っている。レアノール政権の転覆を狙い、密かに謀議を重ねているのだ」

 …いかがでしょうか?
 こちらの方が、事件が発生しそうな雰囲気がありませんか?
 物語が動き出しそうな気がしませんか?
 内乱? クーデター?
 物騒ですが、物騒さこそシナリオの種ではありませんか?
 そこに国母の権威を笠に着る外戚とか、腐敗政治とか、幼い王子を頑張って堕落させようと企む奸臣とか出てくれば完璧ですね。

 ――貴族であるPCに、人目を憚りながら声をかけてくる伯爵。低い声で彼は君に耳打ちします。「君は我が国の現状をどう思う?」
 そんな二人の様子を、少し離れてじっと見ている影があり…
 「忠義の士である君からは、良い返事を聞かせてもらえると信じているよ」
 拒否すればレアノール派と見なされてしまうのか? 頷いても密談はばれている? 中立を気取ると言うことは、どちらからも敵と見なされるという事かもよ!?

 もちろん、大陸ガイドに記載されている文章から、こういうシナリオを考えることは不可能ではありません。
 ありませんが、脳への刺激の度合いは如何ですか?
 読んでいてシナリオが、物語が広がっていく。そういうワールドガイドは、読んでいて病みつきになります。
 そういう「病みつきにさせる」部分が弱くはありませんか?


 密使ノーデンスについてもそう。
 密使ノーデンス自体はシナリオの種として使えるのだけれども、ノーデンスの呪いを恐れて他の国が統一帝の選定に文句を言わないとか、有り得ません。
 「太閤殿下無き今、徳川殿こそが事実上の天下人よ」「オレはそんなこと認めん!」で関ヶ原決戦。
 それが大河ドラマじゃないんですか?
 あまりに制度を完璧なものにしようとしすぎではないですか?
 もっと綻びの種が埋まっているようなものの方が、シナリオは作りやすいと思いますよ。


 他にも、「各国から恐れられている」とか「最強」とか簡単に使い過ぎる気がします。ある集団・人が強いことを証明するために、他の凄い人たちを作り上げ、それを上回る…という手法を多用しすぎだと思います。
 具体的なエピソードの裏づけがあればまだ違うのですが、「強兵と言われている○○も××には敵わなかった」程の具体性に乏しい文章が何度も繰り返されるのは、ちょっとうんざりしてきます。
 (これ他のFEARのルールブックでも見かける気がします)

 国別の事件と伝承に、戦記や国家的な出来事と全く関係ないイベントが多い点に関しては、文句はありますけれども譲りましょう。そういうネタがないと、シナリオを作れない人が沢山いるとは思いますから。黄昏の峰へって奴です。(この例え分からない人が多いかも…)
 でもそうであるからこそ、少ない戦記ネタはもっともっと盛り上げて欲しかったです。
 ブレカナのデッドコピーが作りたかった訳ではないのでしょう?


 書き方の問題とか言わないで。
 文字書きですよね、先生方? 少なくとも志している/いたんですよね?


 昔は良かった的な議論をしたくないのですが、こう言った「物語の予感」では、友野詳や北沢慶は上手かったと思います。
 彼らのワールドガイドは、敵と陰謀に満ちています。
 例えばHTTのドラゴン大陸。ローンカイラスは奴隷制の国って時点でヒール感満載。しかも表向きは無いことになっているけれども、外国人を攫って奴隷にしている説も否定はされず。
 ポストラキュームはティプトラ侵攻を目指して空中要塞を発掘。怪しげな軍師が暗躍。そして正義の(多分)ガルバリウス卿は左遷されて干されている…
 実際に住むなら遥かに困難であることは間違いないですが、ドラゴン大陸の方が血の滾るシナリオをやりやすい気がしませんか?


 …そう思わないのならば、残念な限りです。
 まあ、大河ドラマ的な物語はTRPGでは流行らないというのが通説ではありますが。
 でもそれを言い出したら、そもそも戦記ものがナンセンスでしょう。
 戦記ものって旗を掲げたのならば。
 もうちょっと頑張って頂きたいのです。
 何やらワールドガイドの続きも出たらしいですし。

 もっと、血潮が沸騰するワールドガイドを!

【2009/01/20 19:01】 | トークRPG
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