ただ見上げるより この手を伸ばしてみたくなるだけ (ポコアポコ/カヒーナムジカ)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 「ひらめき」頼りのシナリオ作りが苦しくなってきてしまったGMのための、方法論によるシナリオ加工技法のお話、後編です。(前編はこちら

 「ゴブリン退治」という変哲のないネタから始まり、「山に逃げ込んだ村人の依頼で、襲ってくるゴブリンから住処(逃げ込んでいる洞窟)を守る」という話に辿り着きました。
 ここで、「洞窟を守る」か「ゴブリンが占拠している村を襲撃する」か、どちらかの方向のシナリオにすることになりました。
 しかし、そんなシナリオ作った事ないGMもいるかも知れません。
 後編は、類型パターンから外れてしまった時の、シナリオの作り方のお話から始まります。


◆2つのポイント

 慣れていないパターンのシナリオを作る場合、「乗り越えるべき障害」「プレイヤーが判断できる要素」の二つがあるかどうかを意識すると良いでしょう。
 今回、「乗り越えるべき障害」は「ゴブリン退治」と明確です。
 しかし「洞窟を守るシナリオ」の場合、洞窟の入口からやってくるゴブリンをただ迎撃するだけでは、「プレイヤーの判断要素」がなく、あまり面白くないシナリオになってしまいます。
 もう一捻りが必要そうです。


◆選択肢を増やす

 詰まったら、他の方法論を検討してみても良いでしょう。
 ここでは別のテクニック、「選択肢を増やす」を使ってみましょう。
 選択肢を増やす…この場合は、敵が攻めてくる入口を増やすと、PCをどう配置させて防衛するか、の選択肢が増えるでしょう。
 最低でも2つ、できれば3つ4つの入口を用意しましょう。
 あと、村人も一つの部屋には入りきらないことにしましょう。
 どこから攻めてくるか分からない敵。複数の防衛対象。
 PCはどこを何人でどう守ると、村人を守りきれるのでしょうか?
 もちろん敵は、複数の入口から同時に攻めてきますよ!

 どうでしょう、これなら何とか面白いシナリオが作れるような気がしませんか?
 「村を襲撃するシナリオ」の方は、どうしたら良いのか、あなたが考えてみて下さい。

 (現実には、ここでもう一度「自然さを整える」必要があるでしょう。プレイヤーから「どうしてそんな防御しにくいところに逃げ込んだのか?」という疑問が出るでしょうから。「十分な広さのある洞窟はここしかなかった」あたりがその答えでしょうか。まあ何も思いつかなければ、「その方が面白いシナリオになると思ったから」と言い切ってしまう開き直りが、奥の手としてあります・笑)
 
 
◆シミュレートをしてみる

 方向性が決まったら、プレイヤーの立場に立って、シミュレートをしてみて下さい。
 例えば、こんなことを言い出すプレイヤーがいそうです。
 「洞窟の入口に、罠って仕掛けられないかな?」「村人って見張りぐらいできるんじゃない?」
 GM経験が浅いなら一律禁止でも構わないとは思いますが、対処できた方がより面白いシナリオになるのは確かです。
 「入口に限って罠の設置を認める(中に設置すると、村人がひっかかる)」「見張りぐらいならできる」ということにするのは、手間がかからないという点で悪くありません。


◆ディティールアップ

 よりシナリオを盛り上げたければ、「有限なリソース」としてプレイヤーの裁量に任せると面白くなります。

 例えば罠ならば、「この罠が設置できる」というリストをPCに渡して、洞窟のどこに罠を仕掛けるか考えてもらいましょう。
 仕掛けられる罠の個数は、プレイヤー人数個ぐらいが、みんなでわいわい楽しく設置できる数でしょうか(もちろん、逆に罠に徹底的にこだわるのもアリですけどね)。
 どこに仕掛けたかは、紙に書いてGMに見えないように裏返しておいてもらうと、より楽しめるでしょう。

 村人は、「PCよりは弱いものの、一芸持っている人」を何人か用意すると面白いですね。
 1方向の見張りを任せられるとか、回復が少しできるとか、2ターンだけ敵を防げるとかですね。
 臆病だったり能力が不足している人もいて、「一芸持ち」以外は何かを任せられないことします。
 (もちろん、これは一つの例なので、「見張りぐらいなら誰でもできる」とか、逆に「勇んで見張りに立つが、奇襲を受けて殺されてしまう」という設定の仕方もあります)
 村人は殺されてしまう可能性がある、という点を上手く使えると良いでしょう。生存している村人の数によって経験的に差が出るとかです。
 そうなれば、「村人に任せるよりは自分達でやった方がいいよ」とプレイヤーは考えるかも知れません。
 PCの行動が、割と英雄的or紳士的なものに帰結しやすい方法です。
 (インセンティブって言う方法論です)


◆さらに盛り上げる要素を探してみる

 余力があるのならば、もっと盛り上がる要素がないか探してみても良いでしょう。
 個性の強い村人を出したり、村人の人妻といい雰囲気になったりするとか。(私はロリコンなので人妻属性はありません。誤解なきよう。…ってそれはそれで問題か)


◆類型パターンから外れた場合の注意点

 ただこのシナリオ、ダンジョンの形状や防御対象の村人グループの数、入口の数などによって、何をどうやってもゲームオーバーになってしまう場合があります。
 (このシナリオに限らず、類型パターンから外れると、そういうことが起き易いですね)
 シミュレーションして、無理がないか検証して下さい。
 プレイヤーには不慣れなシナリオになっていると思いますので、少し難易度を緩めに作った方が良いでしょう。

 尚、どんなに準備しても、プレイヤーの予想外の発想で、シナリオを準備した範囲から物語が出て行ってしまうことは有り得ます。
 今回予告などで、はっきりした形でシナリオの内容を打ち出しておくと良いでしょう。例えば、「暗い洞窟の中、君達の背後で怯える村人。明るい入口から下卑た嗤いを張り付かせて、ゴブリンどもが迫り来る」とかです。
 どうしてもシナリオ範囲から出て行こうとするプレイヤーがいるようなら、はっきりと「今回はこういうシナリオしか用意していない」と言ってしまうべきでしょう。
 全行動を予測しそれに対応したシナリオを作るなんて、常人には無理ですから。(時々できる人がいますけどね…ま、常人だとは思ってないですけど・笑)


◆終わりに

 いかがでしょう、なんだか面白いシナリオになってきたと思いませんか?
 もちろん、ここで止めなくてはならない、ということは全くありません。
 自分が納得できる内容になるまで、色々と手を入れて行って下さい。
 ここまで来たら、敵がゴブリンである必要性もありませんね(笑)。
 私だったら、戦記物のシナリオにしてしまうと思います。ゴブリンを敵兵、村人を難民とかにします。難民の中に実は将軍なり王族なりが紛れ込んでいて、しかしその人物は難民達に慕われていて…とかいう話になりますかね。
 この話が「ゴブリン退治」というネタから出発したとは、もう誰も思いません(笑)。

 逆に、「ちょっと難しいかも」と思った人もいるかも知れません。
 今回、色々と紹介するために、盛り込み過ぎている部分もあります。
 ひとまずは、自分がピンときた方法から徐々に導入してみて下さい。
 自分の手に馴染んでくれば、無意識に使えるようになりますよ。


 尚、アイディアは色々と考えて、さらりと捨てることも大事です。良さそうなネタがあっても、シナリオまで発展できないと言うことは良くあることです。
 詰まったら捨てて、違う方向性を考えて見ましょう。
 違うことを考えているうちに、詰まっていた部分の解決方法が見つかる場合もあります。
 

 「面白いシナリオが思いつけない!」というアナタ、発想だけに頼らないシナリオ加工技術を修得してみるのも、一つの選択肢ですよ。


 (2010/09/03追記)
 コメントを頂いていたみたいです。

 >ちなみに、個人的には、上のって下記の車輪の最発明ってやつでしょうって感じですが。

 私にはいまひとつピンと来ていないのですが。
 シナリオの加工を違うものにして、例えば「森に潜むゴブリンを退治する」って話にして、ウィルダネスシナリオの作り方を解説したら、「ウィルダネスシナリオの再発明だ」とおっしゃられたのでしょうか?
 …まあ、そんなことは無いと思うのですけれども。
 経験の少ないGMならば、戦場物に関係するシナリオパターンを知らないことは、あるだろうと思うのです。そして自分の知っているパターンから外れてしまった時の、対処方法の一つを知っておくことも悪くないと思うのですが。
 そこで「これは拠点防衛というシナリオパターンで」という話にしたら、「シナリオパターンを沢山知っておきましょう」という話になってしまう気がするのですよね。
 まあ、パターンを多く知っておくことは良いことではありますが、今回説明したかったのはそういう事では、なかったものでして。
 


追記を閉じる▲
 
◆シミュレートをしてみる

 方向性が決まったら、プレイヤーの立場に立って、シミュレートをしてみて下さい。
 例えば、こんなことを言い出すプレイヤーがいそうです。
 「洞窟の入口に、罠って仕掛けられないかな?」「村人って見張りぐらいできるんじゃない?」
 GM経験が浅いなら一律禁止でも構わないとは思いますが、対処できた方がより面白いシナリオになるのは確かです。
 「入口に限って罠の設置を認める(中に設置すると、村人がひっかかる)」「見張りぐらいならできる」ということにするのは、手間がかからないという点で悪くありません。


◆ディティールアップ

 よりシナリオを盛り上げたければ、「有限なリソース」としてプレイヤーの裁量に任せると面白くなります。

 例えば罠ならば、「この罠が設置できる」というリストをPCに渡して、洞窟のどこに罠を仕掛けるか考えてもらいましょう。
 仕掛けられる罠の個数は、プレイヤー人数個ぐらいが、みんなでわいわい楽しく設置できる数でしょうか(もちろん、逆に罠に徹底的にこだわるのもアリですけどね)。
 どこに仕掛けたかは、紙に書いてGMに見えないように裏返しておいてもらうと、より楽しめるでしょう。

 村人は、「PCよりは弱いものの、一芸持っている人」を何人か用意すると面白いですね。
 1方向の見張りを任せられるとか、回復が少しできるとか、2ターンだけ敵を防げるとかですね。
 臆病だったり能力が不足している人もいて、「一芸持ち」以外は何かを任せられないことします。
 (もちろん、これは一つの例なので、「見張りぐらいなら誰でもできる」とか、逆に「勇んで見張りに立つが、奇襲を受けて殺されてしまう」という設定の仕方もあります)
 村人は殺されてしまう可能性がある、という点を上手く使えると良いでしょう。生存している村人の数によって経験的に差が出るとかです。
 そうなれば、「村人に任せるよりは自分達でやった方がいいよ」とプレイヤーは考えるかも知れません。
 PCの行動が、割と英雄的or紳士的なものに帰結しやすい方法です。
 (インセンティブって言う方法論です)


◆さらに盛り上げる要素を探してみる

 余力があるのならば、もっと盛り上がる要素がないか探してみても良いでしょう。
 個性の強い村人を出したり、村人の人妻といい雰囲気になったりするとか。(私はロリコンなので人妻属性はありません。誤解なきよう。…ってそれはそれで問題か)


◆類型パターンから外れた場合の注意点

 ただこのシナリオ、ダンジョンの形状や防御対象の村人グループの数、入口の数などによって、何をどうやってもゲームオーバーになってしまう場合があります。
 (このシナリオに限らず、類型パターンから外れると、そういうことが起き易いですね)
 シミュレーションして、無理がないか検証して下さい。
 プレイヤーには不慣れなシナリオになっていると思いますので、少し難易度を緩めに作った方が良いでしょう。

 尚、どんなに準備しても、プレイヤーの予想外の発想で、シナリオを準備した範囲から物語が出て行ってしまうことは有り得ます。
 今回予告などで、はっきりした形でシナリオの内容を打ち出しておくと良いでしょう。例えば、「暗い洞窟の中、君達の背後で怯える村人。明るい入口から下卑た嗤いを張り付かせて、ゴブリンどもが迫り来る」とかです。
 どうしてもシナリオ範囲から出て行こうとするプレイヤーがいるようなら、はっきりと「今回はこういうシナリオしか用意していない」と言ってしまうべきでしょう。
 全行動を予測しそれに対応したシナリオを作るなんて、常人には無理ですから。(時々できる人がいますけどね…ま、常人だとは思ってないですけど・笑)


◆終わりに

 いかがでしょう、なんだか面白いシナリオになってきたと思いませんか?
 もちろん、ここで止めなくてはならない、ということは全くありません。
 自分が納得できる内容になるまで、色々と手を入れて行って下さい。
 ここまで来たら、敵がゴブリンである必要性もありませんね(笑)。
 私だったら、戦記物のシナリオにしてしまうと思います。ゴブリンを敵兵、村人を難民とかにします。難民の中に実は将軍なり王族なりが紛れ込んでいて、しかしその人物は難民達に慕われていて…とかいう話になりますかね。
 この話が「ゴブリン退治」というネタから出発したとは、もう誰も思いません(笑)。

 逆に、「ちょっと難しいかも」と思った人もいるかも知れません。
 今回、色々と紹介するために、盛り込み過ぎている部分もあります。
 ひとまずは、自分がピンときた方法から徐々に導入してみて下さい。
 自分の手に馴染んでくれば、無意識に使えるようになりますよ。


 尚、アイディアは色々と考えて、さらりと捨てることも大事です。良さそうなネタがあっても、シナリオまで発展できないと言うことは良くあることです。
 詰まったら捨てて、違う方向性を考えて見ましょう。
 違うことを考えているうちに、詰まっていた部分の解決方法が見つかる場合もあります。
 

 「面白いシナリオが思いつけない!」というアナタ、発想だけに頼らないシナリオ加工技術を修得してみるのも、一つの選択肢ですよ。


 (2010/09/03追記)
 コメントを頂いていたみたいです。

 >ちなみに、個人的には、上のって下記の車輪の最発明ってやつでしょうって感じですが。

 私にはいまひとつピンと来ていないのですが。
 シナリオの加工を違うものにして、例えば「森に潜むゴブリンを退治する」って話にして、ウィルダネスシナリオの作り方を解説したら、「ウィルダネスシナリオの再発明だ」とおっしゃられたのでしょうか?
 …まあ、そんなことは無いと思うのですけれども。
 経験の少ないGMならば、戦場物に関係するシナリオパターンを知らないことは、あるだろうと思うのです。そして自分の知っているパターンから外れてしまった時の、対処方法の一つを知っておくことも悪くないと思うのですが。
 そこで「これは拠点防衛というシナリオパターンで」という話にしたら、「シナリオパターンを沢山知っておきましょう」という話になってしまう気がするのですよね。
 まあ、パターンを多く知っておくことは良いことではありますが、今回説明したかったのはそういう事では、なかったものでして。
 

【2010/08/19 20:08】 | トークRPG実験箱
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。